辛いママスプーンを近づけるとプイッ。手で持てるものしか食べてくれない…。毎食なにを作ればいいの?栄養はちゃんととれているのかな?



大丈夫ですよ!手づかみでも、主食・主菜・副菜を1品ずつ手で持てる形にすれば、栄養のバランスはととのいます。管理栄養士で2児ママの私が、手づかみ食べしかしない時期のメニューの組み立て方と、ラクに続けるコツをお話しします。
離乳食後期〜1歳ごろの「自分の手で食べたい!」時期。せっかく作ったおかゆやスープを食べてくれないと、「明日は何を作ろう…」と頭をかかえてしまいますよね。
毎食、手で持てる形に作るのも、床に散らばった食べこぼしの片づけも、正直なかなか大変です。
- 手づかみ食べは、国のガイドでも「積極的にさせたい行動」。手づかみしかしなくても心配しすぎなくて大丈夫
- メニューは主食・主菜・副菜を1品ずつ「手で持てる形」にすればOK
- おにぎり・おやき・豆腐ハンバーグ・野菜スティックなど、形を変えるだけでいつものごはんが手づかみメニューに
- スープは具と汁を分ける、作り置きや取り分けを使うなど、ママがラクできる方法で続けよう


- 病院勤務10年の管理栄養士2児のママ
- 離乳食ブログ&YouTube運営中
- 離乳食拒否の娘を爆食いにさせた
- ズボラで楽する料理を研究中
手づかみ食べしかしないのは大丈夫?国のガイドでは「積極的にさせたい行動」
まずは、手づかみ食べしかしない今の状態をどう考えればいいのか、離乳食の進め方のもとになっている国のガイドから見てみましょう。
スプーンをいやがるのは「自分で食べたい」気持ちのあらわれ
こども家庭庁の「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では、手づかみ食べは生後9か月ごろから始まり、1歳過ぎの子どもの発育・発達にとって積極的にさせたい行動とされています。
食べ物をさわったり握ったりして、かたさや手ざわりを体験することが、食べ物への関心や「自分の意志で食べよう」とする行動につながる、というのがその理由です。
スプーンを口に入れられるのをいやがるのも、「自分の手で食べたい!」と思える力が育ってきたサインと考えられます。スプーンへの移り方は、子どもによって早い・遅いがあります。



手づかみ食べしかしない時期は、ずっとは続きません。今は「自分で食べる力」を育てている時期だと思って、ゆったりかまえてくださいね。
栄養は「主食・主菜・副菜」がそろっていればOK
「手で持てるものばかりだと、栄養がかたよらない?」と心配になりますよね。ガイドでは、離乳食が1日2回に進むころからの食事について、こう書かれています。
離乳食に慣れ、1日2回食に進む頃には、穀類(主食)、野菜(副菜)・果物、たんぱく質性食品(主菜)を組み合わせた食事とする。
出典:こども家庭庁「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」
大事なのは「何を組み合わせるか」で、「スプーンで食べるか、手で食べるか」ではありません。ごはん(主食)・肉や魚や豆腐(主菜)・野菜(副菜)を、それぞれ手で持てる形にしてあげれば、手づかみ食べしかしなくても食事の組み合わせはととのいます。
それに、離乳が完了する1歳〜1歳半ごろまでは、栄養の一部をまだ母乳やミルクからとっています。ガイドでも、離乳中期・後期は離乳食のあとに母乳やミルクをあげることになっていて、1日2回食のころは授乳の回数もまだ多い時期です。



1食ごとに栄養が完璧でなくても大丈夫。1日のどこかで主食・主菜・副菜がとれていればOKですよ。
ただ、母乳中心の子は鉄が不足しやすいとされています。赤身の魚や肉など、鉄をふくむ主菜は意識して取り入れたいですね。手づかみなら、肉だんごや魚のおやきが便利です。
手づかみ食べしかしない時のメニューの考え方3つ
毎食ちがうレシピを考えなくても大丈夫です。次の3つをおさえておくと、いつものごはんを手づかみメニューに変えやすくなります。


1. 小さな手で持ちやすい形にする


形は、にぎりやすいスティック形、ころんとした丸形、つかみやすい平たい形の3つが基本です。同じ食材でも、切り方や形を変えるだけで手づかみメニューになります。
座る姿勢が安定していないと、手先も思うように動かしにくくなります。足の裏がつくハイチェアで姿勢をととのえるのも、自分で食べやすくするための工夫のひとつです。
2. かたさは月齢の目安に合わせる
ガイドでは、離乳後期(9〜11か月ごろ)は歯ぐきでつぶせるかたさが目安とされています。持ったときにくずれない、でも口の中ではつぶせる、くらいのかたさを意識しましょう。



手づかみ食べのときは、口に詰めこみすぎていないか、そばで見守ってあげてくださいね。
3. 主食・主菜・副菜を1品ずつ「手で持てる形」に


1回の食事で、主食・主菜・副菜を1品ずつ用意できれば十分です。野菜や小魚を混ぜこんだおやきのように、1品で主食と副菜を兼ねるメニューを使うと、作る品数も減らせます。
手づかみ食べしかしない時の簡単メニュー例【主食・主菜・副菜】
ここからは、手づかみで食べやすいメニューの例を、主食・主菜・副菜に分けて紹介します。むずかしいレシピではなく、いつもの食材の形を変えるだけのものを中心に選びました。


| 分類 | 手づかみメニューの例 | 形のポイント |
|---|---|---|
| 主食 | 小さなおにぎり・トースト・パンケーキ・ごはんのおやき | ひと口でかじれる大きさの丸形やスティック形に |
| 主菜 | 豆腐ハンバーグ・魚のおやき・卵焼き・肉だんご | つなぎを入れて、持ってもくずれにくく |
| 副菜 | やわらかくゆでた野菜スティック・野菜入りおやき・かぼちゃのおやき | 持つところが太めのスティック形に |
| 果物 | バナナ・やわらかい果物 | にぎりやすい長さに切る |
主食:おにぎり・トースト・おやき


軟飯やごはんは、小さく丸めたおにぎりにすると手で持ちやすくなります。手にくっつきやすいときは、のりやきなこを表面にまぶすと持ちやすいですよ。
パンは、トーストしてスティック形に切るだけでOK。小麦粉やごはんに野菜を混ぜて焼くおやきやパンケーキは、主食と副菜をいっしょにとれる便利なメニューです。
主菜:豆腐ハンバーグ・魚のおやき・卵焼き


ひき肉や豆腐、ほぐした魚は、片栗粉などのつなぎを入れて焼くと、手で持ってもくずれにくくなります。卵焼きは、火をしっかり通してスティック形に切れば手づかみにぴったりです。
副菜:野菜スティック・野菜入りおやき
にんじんやだいこん、さつまいもなどは、スティック形に切ってやわらかくゆでるだけ。そのままだと食べない野菜も、刻んでおやきやハンバーグに混ぜると食べてくれることがあります。



全部を毎食そろえなくても大丈夫。1日のどこかで主食・主菜・副菜がとれていれば、と考えると気持ちがラクになりますよ。
スープ・ヨーグルト・麺も食べてほしい!手づかみ期の工夫
手づかみ食べしかしない時期にいちばん困るのが、スプーンで食べるのが前提のメニューではないでしょうか。ここでは、少しの工夫で食べやすくする方法を紹介します。


スープ・みそ汁:具と汁を分けて出す
スープやみそ汁は、具だけを取り出してお皿にのせると手づかみで食べられます。汁は、ママがスプーンで少しずつ飲ませたり、小さめのコップで飲む練習にしたりするのもひとつの方法です。
ヨーグルト・ペースト:パンや野菜スティックにつける
ヨーグルトやかぼちゃのペーストなどは、スティック形のパンや野菜につけて渡すと、自分の手で口に運べます。「つけて食べる」のも、子どもにとっては楽しい体験になります。
麺類:短く切る・おやきにする


うどんやそうめんは、短く切って汁を切ると手でつかみやすくなります。つかみにくそうなときは、短く切った麺を卵や小麦粉と合わせて焼き、麺のおやきにするのもおすすめです。



食べてくれない日があっても、ママのせいではありません。「今日はこれを食べられた」に目を向けていきましょう。
毎食手づかみメニューはしんどい!ママがラクする工夫4選
手づかみメニューは、形をととのえたり焼いたりと、どうしても手間がかかりがちです。ガイドでも、離乳食は家庭の状況に合わせて、手軽にできる方法を取り入れることが大切とされています。がんばりすぎずに続けるための工夫を紹介します。
1. おやきやハンバーグはまとめて作って冷凍
おやきや豆腐ハンバーグは、時間があるときにまとめて作り、1回分ずつ冷凍しておくと、忙しい日は温めるだけで1品になります。
2. 大人のごはんから、味つけ前に取り分ける
ガイドでは、家族の食事から味つけする前のものを取り分けることや、薄味のものを取り入れることもすすめられています。大人用の野菜をゆでるときに、スティック形のものを少し取り分けておくだけでも、副菜が1品できあがります。
3. 「切るだけ」「ゆでるだけ」の日があっていい
毎食手作りのおやきを用意しなくても、トースト、バナナ、ゆで野菜のスティックなど、切るだけ・ゆでるだけのメニューで十分な日もあります。
4. 汚れ対策を先にしておく


手づかみ食べしかしない時期は、どうしても床やテーブルが汚れます。椅子の下にシートを敷く、袖つきのスタイを使うなど、離乳食の食べこぼし対策グッズを先に用意しておくと、食後の片づけがぐっとラクになります。
床に貼って食後にはがすだけの使い捨ての食べこぼしシートを使えば、床掃除の時間も短くなりますよ。


こんなときは一度相談してみよう
まだ手づかみ食べをしない子もいるように、食べ方の進み方は本当に一人ひとりちがいます。手づかみ食べしかしないこと自体は、心配しすぎなくて大丈夫です。ただ、次のようなことが気になるときは、ひとりで悩まず相談してみてください。
- 食べる量がとても少ない日が続いている、体重がなかなか増えない
- 食べられる食材がとても少なく、なかなか増えない
- かたまりを飲みこみにくそう、よくむせる
相談先は、かかりつけの小児科や、お住まいの市区町村の保健センターなどがあります。乳幼児健診も、食べ方のことを聞ける機会です。
まとめ:手づかみ食べしかしない時期は「形を変えるだけ」でOK
- 手づかみ食べは国のガイドでも積極的にさせたい行動。手づかみしかしなくても大丈夫
- メニューは主食・主菜・副菜を1品ずつ手で持てる形に(おにぎり・豆腐ハンバーグ・野菜スティックなど)
- 形はスティック・丸・平たいの3つ。かたさは月齢の目安に合わせる
- スープは具と汁を分ける、ヨーグルトはつけて渡す、麺は短く切る
- 冷凍・取り分け・切るだけの日もOK。ママがラクできる方法で続けよう
次のごはんでは、いつものおかずを1品だけ、スティック形や丸形にしてみるところから始めてみてくださいね。毎日の片づけがしんどいときは、床や椅子の汚れ防止グッズに頼って、ママの手間を減らすのもおすすめです。



手づかみ食べしかしないのは、「自分で食べたい」気持ちが育っている証拠。形を変えるだけの手づかみメニューで、親子で楽しい食卓にしていきましょう♪








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