辛いママ9か月になったのに、食べ物を持たせてもポイッと落とすだけ…。手づかみ食べしないけど、このままで大丈夫なのかな?



あせらなくて大丈夫ですよ!管理栄養士で2児ママの私が、国のガイドの内容もふまえて、しない理由とラクな始め方をお話しします。
離乳食が後期に入ると、育児雑誌やSNSで「手づかみ食べを始めましょう」という言葉をよく見かけるようになりますよね。
でも実際は、持たせても握らない、すぐ投げる、口に入れずにぐちゃぐちゃにするだけ…という子も多いです。周りの子ができていると、うちの子は…と気になることもありますよね。
この記事では、手づかみ食べをしないとどうなるのか、しない理由、毎日の負担を増やさずに始めるコツを、管理栄養士の視点でまとめました。
- 手づかみ食べは生後9か月ごろから始まるのが目安だが、始まる時期には個人差がある
- しないからといって、すぐに栄養が足りなくなるわけではない
- 大事なのは「自分で食べたい」気持ちが出てきたときに、さわれる機会を用意しておくこと
- 1食に1品だけ・汚れ対策を先に、でママの負担はぐっと減る


- 病院勤務10年の管理栄養士2児のママ
- 離乳食ブログ&YouTube運営中
- 離乳食拒否の娘を爆食いにさせた
- ズボラで楽する料理を研究中
手づかみ食べしないのは大丈夫?国のガイドではどう書かれている?
まずは、離乳食の進め方の基本になっている国のガイドを見てみましょう。
手づかみ食べは「生後9か月ごろから始まる」行動
離乳食の進め方の基本になっている、こども家庭庁の「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」には、こう書かれています。
手づかみ食べは、生後9か月頃から始まり、1歳過ぎの子どもの発育及び発達にとって、積極的にさせたい行動である。食べ物を触ったり、握ったりすることで、その固さや触感を体験し、食べ物への関心につながり、自らの意志で食べようとする行動につながる。
出典:こども家庭庁「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」
つまり手づかみ食べは、生後9か月ごろから始まり、1歳を過ぎた子どもにとって「積極的にさせたい行動」とされています。手でさわることが「自分で食べたい」気持ちの芽になる、という考え方です。
さらに離乳の完了期(生後12〜18か月ごろ)には、手づかみで前歯を使ってかじり取り、一口の量を覚えていく流れが示されています。そのあとでスプーンなどの食具に移っていきます。


| 時期 | 食べ方の目安 |
|---|---|
| 離乳後期(9〜11か月ごろ) | 手づかみ食べが始まるころ。歯ぐきでつぶせるかたさのものを食べる |
| 離乳完了期(12〜18か月ごろ) | 手づかみで前歯でかじり取り、一口の量を覚える。やがてスプーンなどを使い始める |
「汚れるからさせたくない」と思うのは、あなただけじゃない
同じガイドには、まわりが汚れる、食事が長引くといった理由から、手づかみ食べに前向きになれない親もいる、ということまで書かれています。
国の資料に書かれるくらい、多くのママ・パパが同じことで悩んでいるんです。「させたくない」と思ってしまう自分を責めなくて大丈夫ですよ。
管理栄養士の目線:しないとどうなる?
栄養の面でいうと、手づかみ食べをしなくても、スプーンで必要な量を食べられていれば栄養はとれています。手づかみしないことが原因で、すぐに栄養が足りなくなるわけではありません。
ただ、手づかみ食べは「栄養をとるため」というより、自分で食べる力を育てるための練習という役割が大きいもの。だからこそ、無理にやらせるのではなく、やりたくなったときにすぐさわれる環境を作っておくのがおすすめです。



手づかみ食べを始める時期は、きょうだいでもぜんぜん違うことがよくあります。よその子とくらべなくて大丈夫ですよ。
一人目の娘は成長が目安通りに進んでいて、9か月頃から掴んでいました。
二人目の息子はゆっくりさんで、10か月ごろ食べ物を掴みはじめました
手づかみ食べしない理由4つ
手づかみ食べをしない理由は、ひとつではありません。お子さんがどれに近いかを見てみてください。


1. まだ「自分で食べたい」時期が来ていない
9か月ごろというのは、あくまで目安です。歩き始めの時期が子どもによって違うように、手づかみ食べも1歳を過ぎてから急に始まることがあります。



月齢だけで判断せず、食べ物に手を伸ばすそぶりが出てくるのを待ってみましょう。
2. 手がベタベタするのがイヤ
ぬるっとした感触や、指に食べ物がつく感じが苦手な子もいます。持たせるとすぐ手を振ったり、ふいてほしがったりするなら、このタイプかもしれません。表面が乾いていて、指につきにくい食材から始めると、さわってくれることがあります。
3. 食べさせてもらうのが好き
スプーンで口まで運んでもらうことに慣れていて、そのほうがラクで心地いい、という子もいます。そんなときは、スプーンの合間に、手に持てる1品をそっとお皿に置いて、自分から手を伸ばすのを待ってみましょう。
4. 座る姿勢が安定していない
意外と見落としがちなのが、座り方です。椅子の上で体がぐらぐらしていると、子どもは体を支えるのに手を使ってしまい、食べ物に手を伸ばす余裕がなくなります。
足の裏が足置きにしっかりつく離乳食椅子にすると姿勢が安定して、手を自由に使いやすくなりますよ。



椅子のせいかもしれないなんて、考えたことなかった…!
手づかみ食べはゆるく始めよう!ラクな始め方5選



毎食がんばる必要はありません。ママの負担が増えない方法から試してみてくださいね。
1. 指につきにくく、持ちやすい食材から
最初は、子どもの手でにぎって先が少し出るくらいの長さのものが持ちやすいです。かたさは、歯ぐきでつぶせるくらいが目安です。


| 食材 | 形と下ごしらえ | ポイント |
|---|---|---|
| にんじん・大根 | スティック状に切り、やわらかくゆでる | 表面が乾いていて指につきにくい |
| 食パン | 耳を切り落として細長く切る。軽くトーストする | トーストすると手がベタつきにくい |
| さつまいも・かぼちゃ | スティック状にして蒸す | 甘みがあって食べてくれやすい |
| バナナ | 縦半分〜4等分に切る | ぬるっとするので、ベタベタが苦手な子は後回しに |



手づかみ食べのあいだは、必ず大人がそばで見守ってくださいね。口に詰め込みすぎていないか、飲み込めているかを確認しましょう。
2. 食事の時間じゃなくてもOK


食事のときは時間との勝負で、つい食べさせてしまいがちですよね。
そんなときは、おやつの時間に1つだけ持たせてみるのもおすすめです。量を気にしなくていいので、ママも気持ちに余裕を持って見守れます。
3. 大人がおいしそうに食べて見せる
子どもは、身近な大人やきょうだいのまねをするのが大好きです。同じ食材を大人が手で持って「おいしいね」と食べて見せると、まねして手を伸ばしてくれることがあります。
4. 1食に1品だけ。あとはスプーンでOK
全部を手づかみにする必要はありません。手づかみ用は1品だけ用意して、ほかはいつも通りスプーンであげるやり方なら、食べる量も確保できて、片付けもラクです。
9か月ごろからは、100均の離乳食スプーンでも十分使えます。スプーンは気楽に選んで大丈夫ですよ。
5. 汚れ対策を先にしておく


手づかみ食べがつらい一番の理由は、やっぱり片付けですよね。床に敷くシートや食べこぼしポケットつきのスタイなど、汚れてもいい準備を先にしておくと、「汚さないで!」とイライラすることが減ります。
汚れ対策には、離乳食の汚れ防止グッズを使うと、片付けがぐっとラクになります。



個人的に一番おすすめなのが床に貼って使い捨てできるマスカーテープ!


食後ははがして捨てるだけなのでかなりストレスフリーになります!
投げる・遊ぶ・ぐちゃぐちゃ…しんどいときの考え方


やっと手づかみを始めたと思ったら、今度は投げる、にぎりつぶす、床に落とす…。毎日続くと、正直しんどいですよね。
でも、食べ物を落としたりにぎったりするのも、子どもにとっては「これはどんなものだろう?」と確かめている途中です。食べた量が少なくても、さわった経験は無駄になっていません。
それでもつらい日は、その日は手づかみをお休みしてスプーンだけにしてもOK。ママが笑顔でいられるほうが、子どもにとっても楽しい食卓になります。



片付けのことを考えると、手づかみをさせるのがおっくうになる日もありますよね。大丈夫!そう思うのって普通です。
こんなときは早めに相談を
手づかみ食べをしないこと自体は、多くの場合あせらなくて大丈夫です。ただし、次のような様子があるときは、乳幼児健診や地域の保健センター、かかりつけの小児科に相談してみてください。
- 食べる量がとても少なく、体重がなかなか増えない
- 飲み込むときにむせることが多い、食べ物をうまく飲み込めない
- 食べ物に限らず、おもちゃなどを手でつかむことも少ない
相談先では、離乳食の進み具合を一緒に見てもらえます。「こんなことで相談していいのかな」と思わずに、気軽に聞いてみてくださいね。
まとめ:手づかみ食べしなくても大丈夫。チャンスだけ用意しておこう
- 手づかみ食べは生後9か月ごろからが目安。始まる時期には個人差がある
- しなくても、スプーンで食べられていれば栄養はとれている。あせらなくて大丈夫
- しない理由は「時期」「ベタベタが苦手」「食べさせてもらうのが好き」「座る姿勢」の4つをチェック
- 指につきにくい食材を、1食に1品だけから
- 汚れ対策を先にしておけば、ママのイライラが減る
まずは今日のごはんで、やわらかくゆでたにんじんスティックを1本だけお皿に置いてみてください。さわらなくても、それで大丈夫。「置いておく」ことが、自分で食べたくなったときのチャンスになります。
体がぐらぐらしているなら足置きのあるハイチェアに、片付けがしんどいなら食べこぼし対策のグッズに頼るのも、ママがラクになる近道ですよ。
体重がなかなか増えない、飲み込みにくそうなど、気になる様子があるときは、健診や小児科で気軽に相談してみてくださいね。



手づかみ食べは、できる・できないより「楽しく食べられているか」が大事です。ママもがんばりすぎず、できる日にできる分だけで十分ですよ♪








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